健やかな生活をサポートするGABAの真価:科学的根拠と賢い摂取法

    成分のチカラ研究所

    現代社会において、多くの人々が多忙な日々を送る中で、心身の休息の重要性はかつてないほど高まっています。私たちが日々研究開発に携わる中で、このようなニーズに応えるべく注目している成分の一つがGABAです。

    脳の神経活動を穏やかにし、心身のバランスを整える働きで知られるGABAは、近年その効果に関する知見が深まり、成熟した消費者の方々からも高い関心を集めています。

    この記事では、保健食品開発の最前線で培った専門知識を基に、GABAのメカニズムと多様な効果、そして賢い活用法について、専門的ながらも分かりやすく解説してまいります。

    GABAとはどんな物質?

    GABAの基本情報

    GABA(ギャバ)は、アミノ酸の一種であるγ-アミノ酪酸(Gamma-aminobutyric acid)の略称です。タンパク質を構成する20種類のアミノ酸とは異なり、体内で単独で存在する「遊離アミノ酸」として、私たちの健康維持に多岐にわたる役割を担っています。

    特に重要なのは、私たちヒトを含む哺乳類の脳や脊髄に豊富に存在し、神経伝達物質として機能する点です。

    神経細胞間の情報伝達を調整することで、興奮を抑制し、心の平穏や良質な睡眠をサポートするGABAの効果は、機能性表示食品や特定保健用食品といった機能性食品にも積極的に活用され、その価値はますます認識されています。

    GABAの歴史

    現在では、ヒトの脳機能にとって不可欠な神経伝達物質の一つとして広く知られるGABAですが、その発見当初はそれほど注目される存在ではありませんでした。

    初めてジャガイモなどから同定されたのは20世紀初頭であり、1910年代には生体組織に存在することも判明していました。

    しかし、その真価が脚光を浴び始めたのは、さらに40年後の1950年代です。哺乳類の脳でGABAが発見されたことを契機に、ヒトの脳の神経活動においてもGABAが極めて重要な働きをしているという認識が広まりました。

    その後の研究で、GABAが中枢神経系において「抑制性の神経伝達物質」として機能することが明確になり、今日のGABA研究の礎が築かれたのです。

    現在では、抑制性神経伝達物質の代表格であるGABAが、GABA受容体と直接結合することで脳の過剰な興奮を抑制し、心身のバランスを保つ上で重要な役割を果たすことが広く認知されています。このメカニズムに関する研究は日々進化しており、我々の製品開発においてもその成果が大きく寄与しています。

    GABAの重要性

    GABAは脳や脊髄に多く存在する抑制性の神経伝達物質で、神経の興奮を抑えることでリラックスや睡眠をサポートします。また、血圧調整や抗糖尿病作用など、さまざまな生理機能にも関与しています。

    脳の神経活動は、神経伝達物質による情報交換で成り立っており、興奮性(アクセル役)と抑制性(ブレーキ役)のバランスが重要です。代表的な興奮性物質はグルタミン酸、抑制性の主役がGABAです。このバランスが保たれることで、思考・学習・記憶・睡眠などの脳機能が維持されます。

    一方、バランスが崩れると過度な興奮や睡眠障害が起こり、神経変性疾患のリスクも高まる可能性があります。GABAは神経活動の調整だけでなく、神経発達にも関わる重要なアミノ酸です。

    私たちは、GABAの多面的な働きを最大限に活かす製品開発に取り組んでいます。

    GABAの効果

    GABAが脳機能に重要な働きをしていることは既にご説明しましたが、具体的にどのようなGABAの効果が科学的に示唆されているのでしょうか。ここでは、代表的なGABAの効果について、最新の研究報告を基に詳しくご紹介します。

    参考記事:https://jp.healthsp.org/article/gaba

    GABAで、もう頑張りすぎない。忙しい心に静かな安らぎを。

    リラックス効果

    GABAは中枢神経系において抑制性神経伝達物質として機能するため、心を落ち着かせ、リラックスを促す効果があると考えられています。このGABAの効果は、多くの研究で裏付けられています。

    例えば、GABAのリラックス効果を検証したある研究では、被験者に1日100mgのGABAまたはプラセボを2日間摂取してもらい、精神的負荷をかけるテストを受けた際の影響を、リラックス時に優位となる脳波であるアルファ波を測定することで比較しました。

    その結果、ストレステストによって両グループでアルファ波の減少が見られましたが、GABAを摂取したグループではアルファ波の減少が有意に抑制されたことが確認されました。これは、GABAがストレスによる心身への悪影響を緩和する上で有効に作用することを示唆しています。

    私たちはこのメカニズムに着目し、日中のストレスケアをサポートする製品開発を進めています。

    睡眠をサポートする効果

    GABAはリラックス効果と並んで、睡眠をサポートする働きがよく知られています。現代社会では、ストレスによる脳の過度な興奮が原因で、入眠困難や中途覚醒などの睡眠トラブルが増えています。GABAはこうした脳の興奮を穏やかにし、睡眠の質を改善することが期待されています。

    研究では、睡眠に悩む被験者が就寝30分前に1日100mgのGABAを1週間摂取した結果、深い眠り(ノンレム睡眠)の時間が増加し、本人の自覚としても睡眠の改善が確認されました。また、寝付きの悪さや睡眠中の姿勢に問題を抱える人ほど、GABAの効果が顕著であることも報告されています。GABAは睡眠トラブルの改善に役立つ心強い成分と言えます。

    血圧低下への効果

    GABAの持つ神経興奮抑制作用は、血圧の低下にも寄与することが知られています。

    最高血圧が130〜180mmHgの被験者を対象に、GABA摂取による血圧低下を検証した研究では、1日80mgのGABAを短期間摂取することで有意な血圧低下が確認され、さらに8週間の長期間摂取においてもその効果が持続することが報告されています(8)。

    これ以外にも、動物実験やヒトを対象とした多数の研究で、GABA摂取による血圧低下の効果が示唆されています。このことから、GABAは単に気分をリラックスさせるだけでなく、ストレスによって引き起こされる心血管系への悪影響を緩和する可能性も秘めていると考えられます(9)。

    どんな食品がGABAを多く含む?

    GABAの含有量は、動物性食品よりも植物性食品に圧倒的に多いことが知られています。

    トマトやジャガイモなどの植物性食品には、1グラムあたりミリグラム(mg)レベルのGABAが含まれています。一方、肉や魚などの動物性食品に含まれるGABAは、その約1000分の1にあたるマイクログラム(μg)レベルに留まります。したがって、食品から効率的にGABAを摂取しようとする場合、トマトやジャガイモなどの植物性食品を積極的に摂ることが有効です(10)。

    また、乳酸菌など一部の微生物は、発酵の過程でGABAを生成することが知られています。そのため、キムチや漬物といった発酵食品にもGABAが豊富に含まれています。近年では、乳酸菌を用いてより豊富なGABAを生産する研究開発も盛んに行われており、新たなGABA含有食品の創出が期待されています(11)。

    さらに、現代ではGABAを配合したGABAサプリメントが数多く流通しており、毎日の食生活だけでは十分なGABA摂取が難しいと感じる方にとって、GABAサプリメントは非常に有効な選択肢となります。多様な原材料から抽出・精製されたGABAを、最適な形で製品に配合することが、私たちのGABAサプリメント開発の重要なポイントです。

    参考:GABA(ギャバ)サプリおすすめ10選!選び方と飲むタイミング|ヘルスカレッジ

    GABAの摂取のポイント

    GABAの摂取量に関しては、多くの研究で1日合計80〜100mgのGABAを摂取することで効果が確認されています。このため、研究結果を参考に、1日100mgを目安として継続的に摂取することが、その効果を実感するための鍵となると考えられます。

    GABAを摂取するタイミングについては、一般的に厳密な指定はありません。しかし、睡眠サポートの効果を期待する場合は、就寝時間の30〜60分前にGABAを摂取した研究で睡眠への効果が確認されていることから、就寝の約1時間前を目安に摂取するとより効果的であると考えられます(6)(7)。GABAサプリメントの活用を検討されている方は、ご自身のライフスタイルや目的、そして製品ごとの推奨摂取量やタイミングを確認し、賢く取り入れることをお勧めします。

    おすすめ:GABA&セサミンサプリメント- ダイケンオンライン

    参考文献

    • Influence of glutamate and GABA transport on brain excitatory/inhibitory balance – PMC
    • GABA and neuroligin signaling: linking synaptic activity and adhesion in inhibitory synapse development – PMC
    • Oral intake of γ-aminobutyric acid affects mood and activities of central nervous system during stressed condition induced by mental tasks
    • Effects of GABA supplementation on blood pressure and safety in adults with mild hypertension – Tohoku University
    • An Updated Review on Pharmaceutical Properties of Gamma-Aminobutyric Acid
    • United States Pharmacopeia (USP) Safety Review of Gamma-Aminobutyric Acid (GABA)
    • https://biotechtrends.jp/about-gaba/

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